6月13日 文部科学委員会で
教育改悪3法案 質問・採決

2001年6月14日(木)「しんぶん赤旗」より

教育三法案

奉仕活動で子ども「評価」

石井議員「逃れられない強制」


 日本共産党の石井郁子議員は十三日の衆院文部科学委員会で、教育改悪三法案が、教員の力量向上や子どもに信頼される学校づくりにつながらないことを示し、問題点の審議をつくすよう強く主張しました。

 社会奉仕体験活動の「評価」について、遠山敦子文科相は「強制につながらない」といいつつ、「子どもの良い面に着目して記録にとどめる」と答弁。

 石井議員は「良い面を評価となれば、なおさら参加しなければならない。点数につながった強制になる」とのべ、「強制ではない」という文科省のごまかしを批判しました。さらに、「いやだ」と本人が感じても逃れる自由のないものは「強制」にあたり、「その意に反する苦役に服させられない」とした憲法一八条に反すると追及しまし>た。

 また石井議員は、「職場の人間関係」や「言葉遣い」などを「指導力不足」教員の具体例にあげている府県の実態を示し、文科省が法案説明の答弁で示した「指導力不足」の事例とまったく違っていると批判しました。

 子どもの問題行動にたいする出席停止措置について石井議員は、「教育を受ける権利を一時停止するとき、子どもから意見を聞くのは教育上欠かせない」と指摘。子どもが意見、理由をのべることを法案で保障していないのは、子どもの権利条約を無視したものと指摘しました。

 遠山文科相は、「他の法律で、一律に十五歳以下の意見聴取を義務づけたものはない」とのべつつ、教育委員会への通知などにより子どもからの意見聴取がおこなわれるよう指導していく考えを示しました。


衆院委

教育改悪3法案を可決

民主、与党と「修正」合意し賛成


 競争と管理を強める教育三法(学校教育法、地方教育行政法、社会教育法)改悪案が十三日、衆院文部科学委員会で一部修正のうえ、自民、公明、保守、民主の賛成多数で可決されました。日本共産党、社民党、自由党は反対しました。

 三法案は、昨年十二月末の教育改革国民会議の最終報告を拙速に法案化したもので、高校の通学区撤廃に道を開き、大学への「飛び入学」を拡大します。

 また、(1)「社会奉仕体験活動」を学校の努力義務とし、子どもに事実上、義務付ける(2)要件、手続きを示すことで「問題をおこす子」への出席停止をやりやすくする(3)「指導の不適切な教員」を、本人の同意抜きで免職・配転できるようにする――などをもりこみました。

 日本共産党の児玉健次議員は「強制による奉仕体験活動は苦役となり、人間形成に有意義な活動から子どもを離す結果になる。出席停止要件の拡大は、機械的な排除になりかねない。また『指導の不適切な教員』の免職は、教師を管理でしばり委縮させ、教育力の発揮を妨げる」とのべて、法案に反対しました。

 同法案について野党四党は今国会で成立阻止を確認していましたが、民主党は法案の本質を何も変えない二点の修正――「社会奉仕体験活動」に「ボランティア活動など」をつけくわえる、飛び入学の対象から短大、専修学校を除く――で与党と合意し、法案可決に手を貸しました。法案は、十四日の衆院本会議で採決され、参院に送られる見込みです。


2001年6月10日「しんぶん赤旗」より

奉仕の強制、飛び入学拡大…

教育三法審議で浮かんだ問題点


 教育改悪三法案はいま、衆院文部科学委員会で審議中です。与党は、今週にも強引に衆院を通過させようとしていますが、「社会奉仕」「一学区制」「飛び入学」について、これまでの審議で浮かびあがった法案の問題点をみると――

やりたくなくてもやるのが「奉仕」

 遠山敦子文部科学相はボランティアと社会奉仕の違いについて「ボランティアは自発的意思に基づくもの。奉仕には非自発的活動も含まれる」と明確に答弁。法案では、「ボランティア」「社会参加」ではなく「奉仕」という言葉が適切だとします。つまり「奉仕の精神を涵養(かんよう)する」というのは、「やりたいと思わなくてもやる精神」を植えつけることに眼目があります。

 「今回の法案は、学校教育で社会奉仕体験活動などに努める、というもので、義務づけではない」と同相は答弁します。しかし、学校で奉仕体験活動がおこなわれれば、評価の対象になり、生徒にとっては義務付けられるのと同じです。

出席停止措置の支援策あげるが…

 法案は、出席停止措置の要件や手続きを明確にすることで、「問題を起こす子」の出席停止をいまより、やりやすくしようとしています。それだけに教育現場で機械的、懲罰的に運用され安易な排除が広がる懸念があります。新たに、出席停止中の子どもに学習支援などの「教育上必要な措置を講ずる」という規定が加えられました。どんな支援策なのか――。

 文部科学省は、支援措置のために生徒指導の先生を各県二人ずつ増やしたといいます。

 支援策としては、(1)学級担任などが家庭訪問して学習指導や生活指導をする(2)家庭に問題があるときは、青少年教育施設に入って自然体験活動などのプログラムを受ける(3)児童相談所や警察などと連携をとって指導にあたる――など。「何段階にも考えた十分な支援をする」「新たな予算や人員措置なしで実施できる」と答えます。

過度の競争教育を放置し、激化する

 「警察との連携」という答弁は、「はみだす生徒は違う場所に収容し、別のタイプの教育をする」という教育改革国民会議の議論を思いおこさせます。

 高校の通学区に関する規定を削除する法案の意図について、文部科学省は「現行では全県一学区ができないため」と答えました。その後「舌足らずだった」と修正しましたが、本音が出たものです。全県一学区にすれば、競争が激化するのは必至です。

 日本の競争教育への認識を問われた文部科学相は「過度でない、ある程度の競争は必要」と答えました。現実に過度の競争がおこなわれているという認識がないことが浮きぼりになりました。

「飛び入学」の拡大教育現場に混乱も

 高校二年から大学への「飛び入学」はいま、数学と物理、博士課程のある四年制大学に限定されています。今回は、分野の限定を外すうえ、短大、専修学校も対象になることが審議で明らかになりました。

 「希有な異能の才」「天賦の才がありすぎる」ごく少数の者を対象としていた制度の性質を変える重大な変更です。

 少子化で大学の学生集めが大変ななか、青田買い、大学入学選考の不透明化を生むと指摘されています。

 対象が無限定に拡大すれば、教育現場を混乱させ、高校教育の否定になりますが、文部科学省は、対象がどれぐらい広がるかなどの予測、検討をしていません。

 もう一つ問題になっているのは、「飛び入学」した学生が中途で進路変更したくなったとき、高校中退扱いになり、高卒を要件とする資格試験を受けられないことです。

 一部の資格は、今回の法案の付則で受験できるようにしましたが、看護婦など受けられないままのものもあります。同省は「他省庁に働きかけるなどしていきたい」とし、対応はこれからです。

 昨年十二月末の教育改革国民会議の報告を、十分な検討なしに法案化した拙速さが表れています。


会議録 文部科学委員会 6月13日 石井質問・採決部分


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