6月8日 文部科学委員会

2001年6月9日「しんぶん赤旗」より

教育改悪3法案

教師委縮させ教育阻害

児玉議員 免職・配転問題で追及


 日本共産党の児玉健次衆院議員は、八日の衆院文部科学委員会で、教育改悪三法案にもりこまれた「指導力不足」教員の免職・配転について質問しました。

 法案(地教行法「改正」)は、(1)子どもへの指導が不適切(2)研修しても指導が適切にできない、このいずれにも該当した場合、都道府県教育委員会が「不適切」と判定して教職をやめさせることができます。文部科学省は、すべての教員の「指導力」が一年単位で評価されることになることを認めています。

 児玉議員は、子どもを中心に教師集団がお互いに授業を批評・支援し合い、ともに学び合う学校づくりの努力のなかで「教師の力量は全体に発揮される」と指摘。「集団的な教育のいとなみから教師を切り離し、短期間で『指導が不適切』とだれがどう判断できるのか」とただしました。

 遠山敦子文部科学相は「校長が日々の授業から実態を把握」「そういった情報を公正に分析したうえで、市町村教育委員会の報告にもとづいて県教育委員会が判断」と答えました。

 児玉議員は「大きい学校では七十人、八十人もいる教師の日常の授業から、不適切と判断できる校長がいるのか。いない」と指摘。さらに「教師を委縮させ、のびのびとした教育力の発揮を阻害する」とのべ、委縮させないと信じるとのべた遠山文部科学相に「信じる具体的根拠を示せ」と追及。遠山文部科学相は、免職・配転の手続きなどをのべるだけで根拠を示せませんでした。


2001年6月12日(火)「しんぶん赤旗」

地方教育行政法案

教員間に溝つくる

「指導不適切」教員の免職・配転


 今週中にも衆院通過の恐れのある教育改悪三法案のうち、地方教育行政法改悪案の「指導が不適切」な教員を免職・配転する問題で、たんに“目にあまるひどい先生”“困った先生”を教壇から下ろす、というにとどまらない問題が審議を通じ浮かび上がっています。

基準はない

 法案で問題なのは、なにをもって、どの程度で、免職にあたいする「不適切」とするかの基準がまったくないことです。

 審議で遠山文科相は当初、「基準は明確にしないといけない」と答弁。専門知識・技術が不足して学習指導が適切でない、などをあげました。

 ところがその二日後、日本共産党の石井いく子議員に「あいまいで、基準たりえない」と追及されると、「一例であって、基準そのものではない」と答え、基準はないことを明らかにしました。

 文部科学省は「各県が、具体的ケースにそくして適正に判断する」といいます。

 昨年から、十六府県・政令指定都市で、モデル事業として、「指導力不足教員」の人事管理の調査研究がされています。それを見ると「指導力不足」の定義さえばらばらです。治療の対象である精神疾患の場合を、「指導力不足」に加えたりしています。

 しかも広島県や北九州市では、全教員を対象にチェックするとしています。北九州市の場合、「指導力不足教員の発見という観点から」、「不適切な言葉や態度」「協調性にかける」など二十あまりの項目を「毎年定期的に」チェックすべきだとしています。

5段階で評価

 昨年四月から教員の人事考課制度をスタートさせた東京都の場合、全教員をSABCDの五段階にランクづけし、昇給、昇格に反映させます。第一段階では校長・教頭が教員を絶対評価。第二段階で市区町村教育委員会が、教委単位で相対評価します。相対評価ですからかならずDランクの先生がでるということです。

 学級崩壊や不登校は、教師の指導力と直接関係ない場合もありますが、それをどう判断するかは校長の考え方しだいとなります。また校長による一次評価で「A」でも、教委の二次評価では「D」になることもありえると、東京都は認めます。学校が荒れているなどの要因で、学校全体が低い評価になるわけです。

 これまで「不適格」教員なんて自分には関係ないと思っていたという都内のある中学校の先生は、「たまたま何か失敗したり、親と行き違いがあったらDになる。それが重なれば研修所送りになりかねない」と不安を語ります。国会の審議では、研修を受けることなく配置転換も可能、としています。

 前出の先生は「教師集団で補いあっていたのが、安心してカバーしたり、アドバイスできない。教師集団としての力を発揮できなくなる」といいます。「目に見える」成果を、子どもに性急に求める傾向も懸念されています。

 教職員の精神疾患による病休者の増加は、子どもの不登校の増加傾向とぴったり一致しています。競争と管理を、子どもだけでなく教職員にも広げ、教職員間の協力、なんでも言い合える雰囲気を壊すことは、子どもにとって大きなマイナスです。(西沢亨子記者)


会議録 文部科学委員会 6月8日 児玉質問部分


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