151-衆-文部科学委員会-22号 2001年06月27日
平成十三年六月二十七日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 高市 早苗君
理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
理事 田野瀬良太郎君 理事 高橋 一郎君
理事 平野 博文君 理事 藤村 修君
理事 西 博義君 理事 都築 譲君
小渕 優子君 岡下 信子君
河村 建夫君 左藤 章君
砂田 圭佑君 谷垣 禎一君
谷田 武彦君 谷本 龍哉君
馳 浩君 林 省之介君
増田 敏男君 松野 博一君
水野 賢一君 森岡 正宏君
大石 尚子君 鎌田さゆり君
葉山 峻君 肥田美代子君
牧 義夫君 松沢 成文君
山口 壯君 山谷えり子君
山元 勉君 池坊 保子君
斉藤 鉄夫君 武山百合子君
石井 郁子君 児玉 健次君
北川れん子君 中西 績介君
松浪健四郎君
…………………………………
文部科学大臣 遠山 敦子君
内閣府副大臣 仲村 正治君
文部科学副大臣 青山 丘君
文部科学副大臣 岸田 文雄君
経済産業副大臣 古屋 圭司君
文部科学大臣政務官 池坊 保子君
文部科学大臣政務官 水島 裕君
政府参考人(内閣府政策統括官) 興 直孝君
政府参考人(文部科学省生涯学習政策局長) 近藤 信司君
政府参考人(文部科学省初等中等教育局長) 矢野 重典君
政府参考人(文部科学省高等教育局長) 工藤 智規君
政府参考人(文部科学省科学技術・学術政策局長)大熊 健司君
政府参考人(文部科学省研究振興局長) 遠藤 昭雄君
政府参考人(文部科学省研究開発局長) 今村 努君
政府参考人(厚生労働省医政局長) 伊藤 雅治君
政府参考人(厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)岩田喜美枝君
文部科学委員会専門員 高橋 徳光君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
文部科学行政の基本施策に関する件
大阪教育大学教育学部附属池田小学校における児童等殺傷事件に関する件
――――◇―――――
○高市委員長 石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。
私、本日は、文部科学省発表になりました大学の構造改革の方針について、また昨日、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針が閣議決定されたわけでございますが、それとの関連でも質問をさせていただきます。
私どもにとっては極めて寝耳に水の大学の構造改革方針でございました。この問題は日本の学術研究の基盤を揺るがしかねない重要な問題を含んでいるということでございますので、まず、これはどこでどのように検討されたのでしょうか、またこれは文部科学省の正式決定と見ていいのでしょうか、大臣にお伺いいたします。
○遠山国務大臣 今回の方針の発表の背景といたしましては、経済財政諮問会議におきまして、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針と言われておりますが、これの検討がかなり速いペースで進められている中で、国立大学のあり方がテーマとして取り上げられたことが挙げられると思います。
大学、とりわけ国立大学の改革の方向につきましては、文部科学省としても大変大きな政策課題の一つであることは言うまでもございません。したがいまして、経済財政諮問会議の議論に所管官庁としての考え方を適切に反映させる必要から、我が省の責任において今回の方針を策定して、今月十一日の同会議で説明したものであります。
他方、委員の先生方御存じのように、国立大学のあり方につきましては、従来から各種の審議会等で種々の検討がなされてまいっております。例えば旧大学審議会におきましては、大学の教育研究に対する第三者評価システムの導入でありますとか、あるいは卓越した教育研究拠点の形成と評価に基づく資源の重点配分の問題、それから責任ある意思決定と実行を可能とする組織運営体制の整備などの指摘がなされているところでございます。
今回の方針の作成に当たりましては、これらの長い期間にわたる十分な英知を集めた御審議の結果である御指摘、あるいは国立大学の法人化についての検討状況などを踏まえまして、省内におきまして、事務次官、関係局の局長等による協議、検討を重ねて、最終的に六月上旬に策定したものでございます。
○石井(郁)委員 いろいろ背景まで含めて御答弁いただきましたけれども、今回の構造改革の方針と、それから国立大学の民営化の問題で私お聞きをしなければなりません。
総理が五月十一日の参議院本会議質問に対しての御答弁で、「思い切って国立大学の民営化を目指すべきだという御指摘でありますが、私はこれには賛成であります。国立大学でも民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという、こういう視点が大事だというように私は思っております。」と答弁されています。
今回の大学の構造改革の方針は、民間の経営手法を導入する、国立大学の機能の一部の分離などを挙げているわけでございますが、国立大学の民営化の方向をとろうとしているのでしょうか、これも大臣に御答弁願います。
○遠山国務大臣 小泉総理は、先般の国会質疑におきまして国立大学の法人化の問題に触れられ、改革のためのいろいろな可能性を検討すべきであり、国立大学でも、法人化に際して、民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという視点が大事であると指摘されたところであります。
文部科学省といたしましても、その視点に立って、大学の自主性を尊重しながら、活力に富み、国際的競争力のある大学づくりの一環として、いわばこれまで何年もかけて大学改革を進めてまいったわけですが、その大学改革をより本質的なものとするということもねらいとしながら、国立大学の法人化に際していろいろな可能性を検討することが重要と考えているところでございます。
しかしながら、学術研究面等での国立大学の役割、これに遺憾なきを期することが大事でございまして、したがって、初めに民営化ありきということではなくて、民間的発想による経営手法の導入という視点で運営面の活性化を図ることが重要と考えているところでございます。
この点につきましては、既に、旧の大学審議会でございますけれども、そこの幾つかの答申の中でも触れられているところでございますが、大学運営の活性化という観点から、例えば一つは、学長を中心とする全学的な運営体制の整備あるいは学内の運営と教育研究に関する機能分担の明確化、大学運営に対する外部有識者の意見の聴取など、種々の指摘がなされてきたところでございます。そのようなことを背景として、私どもは民営化についての指摘について考えているところでございます。
〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○石井(郁)委員 大学の活性化であるとか、大学がいろいろ評価機関を設けなければいけないだとか、いろいろ運営形態を考えなければいけないとか等々は言われてきたとおりでありまして、その問題と民営化に行くかどうかというのは質的に全く違う問題ですね。そこはまずはっきり区別をしなければいけないというふうに私は思いますし、今御答弁を伺っても、極めて重要な問題だというふうに言わなければならないと思うのです。
そこで、これまでの文部省の答弁はどうだったのでしょうか。例えば、九七年五月十六日、当時小杉文部大臣でございますけれども、このようにおっしゃっていました。
再三申し上げていますが、国際的に見ても高度な学術研究とすぐれた人材養成というのは、教育、特に高等教育の基幹部分であって、こうした国家基盤を形成する高等教育は国の責任と考えるべきだというふうに考えている、そして、地方移管とかあるいは民営化といった場合の弊害を逆説的に考えてみますと、学術研究の分野が偏ってしまったり、あるいは地域的に大学配置の偏りができてしまうことを懸念しております、そして、特に国立大学は、自然系、理科系が中心になって、これを仮に民営化した場合には、そういうお金のかかる分野は敬遠されて、人文科学系のみに偏ってしまうということ、それからまた、民営化した場合には地方には果たして大学が行くだろうか、そういう地域的な偏りということも考えていかなくてはいけないと思いますと述べられています。
文部科学省としてはこういう立場を貫くべきだというふうに思いますが、文部大臣として、こうした文部科学省の立場だと私は思いますけれども、総理に御説明になったのでしょうか。大臣、お願いします。
○遠山国務大臣 平成九年五月、小杉大臣は、御指摘のように、答弁において、繰り返しますけれども、国際的に見ても高度な学術研究とすぐれた人材養成という高等教育の基幹部分の実施は国の責任と考える、また、国立大学一般を民営化した場合に、学術研究分野の偏りや地域的な大学配置の偏りができることに懸念があるということを指摘しておられます。私としても、これらの指摘は当然のことと考えております。
他方で、国立大学が現在よりさらに活力に富んで国際競争力のある大学となってもらうということは、我が国にとっても、また大学の発展にとっても非常に大事であるわけでございますが、そのためには、大胆な再編統合でありますとか、運営についての競争原理の導入、あるいは民間的発想による経営手法の導入という視点で運営面の活性化を図ることが重要と考えております。この点については、御指摘の小杉大臣の答弁の中でも、国立大学といえども、その運営面についてはさらに効率化、合理化を図っていく視点ということの重要性を指摘しているところでございます。
それでは、そういう国立大学のあり方の独立行政法人の問題について小泉総理に伝えたのかという御質問でございますけれども、総理には、これまでの法人化の検討の経緯でありますとか、それから国立大学の実績や今後の役割、それから国としての責務などについても説明いたしました上で、我が省が考えます国立大学改革の方向性について御説明をしておりまして、総理からも御賛同いただいたと考えております。
○石井(郁)委員 こういう記事があるのですね。小泉首相は五月十八日、首相官邸を訪れた遠山敦子文部科学大臣に珍しく声を荒げた、首相が同十一日の参議院本会議で国立大の民営化に賛意を表したことに対して、旧文部官僚出身の遠山氏が国立大側の意向を代弁するかのように、国立大学は既に独立行政法人化が決まっている、民営化には大学側の反発が強いと説明したためだと。少し長くなりますが、首相は、小泉内閣は改革断行内閣だ、あなたはその目玉の一人なのに、改革の意思が感じられないと語った、遠山氏に聖域なき改革への奮起を促した、六月四日の読売新聞でございますけれども。
こういう経過で今回のような民営化の方向が打ち出されたのでしょうか。この点はいかがでしょうか。
○遠山国務大臣 国立大学の問題について御説明したことは確かでございますが、記事のその内容は、私としては正確とは言いがたい状況でございます。したがいまして、そのことと今回の方針との関係については、私は直接関係はないと考えております。
○石井(郁)委員 国立大学を民営化するというのは、まさにこれまでの国の大学教育のあり方を根本から変えるものですね。ですから、極めて重大な問題をはらんでいる。それが首相の一言で軽々に変えられてはとてもたまらないということはもう言うまでもないというふうに思うのですね。
現在、国立大学の独立行政法人化については、国立大学協会等々で検討中であります。また、一部新聞にはその方向などという報道もありましたけれども、どうも一致を見ていないという段階なんですね。秋には中間報告が出されるという状況であります。ですから、これまでの経過で、国立大学は通則法によらない独立行政法人化の方向で、何かまとまるのかまとまらないのかも含めて今検討中だ。この段階で、文部科学省の方が民営化の方もありきだということを出されるという点になりますと、私は本当に重大だというふうに思うのですね。
先ほど大臣は、先に民営化ありきではないというふうに言われましたけれども、きのうの閣議決定のこの骨太方針によりますと、はっきりと書いてあるわけですね。国際競争力のある大学づくりを目指す、民営化を含め、国立大学に民間的発想の経営手法を導入するということでしょう。ですから、この点はどうなんですか。私は、やはりこの方針のもとで、内閣の方針のもとで、小泉内閣のもとでは、独立行政法人化どころか、この行き着く先まで見えている、もう民営化だということがこれでしかれるんじゃないですか。それはいかがでしょうか。
〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○遠山国務大臣 小泉内閣の姿勢として、民営化できるものは民営化し、地方移管できるものは地方移管にという精神が貫かれていることは当然のことでございますが、大学、特に国立大学に関しましては、法人化に際してそういう視点はもちろん大事でありまして、その機能の中において民営的な視点で考えるということもあり得るとは思いますけれども、先ほど来お答えいたしておりますように、法人化の問題につきましては、国立大学ないし学問研究をし人材養成をする、そういう機関の持つべき機能から見て、通則法による独立行政法人ではなくて、新たに国立大学法人ですか、そういった方向での法人化を考えるということにつきましては、私は総理も十分御理解いただいていると思っているところでございます。
○石井(郁)委員 私は、やはり本当に重大な問題が含まれているというふうに思っておりますので質問しているわけですけれども、やはり政府としても、財政上厳しい、お金は出せない、もう民営化、売り飛ばせるところはどんどん民営化していくことになるのではないかという点でいきますと、本当に重大だ。これでは米百俵も泣くわけですね。
それで、改めて伺いますけれども、大学審議会では、二十一世紀の大学像と今後の改革方向の中でこういう指摘をしているわけです。我が国は先進諸国と比較して国内総生産、GDPあるいは公財政支出全体に占める高等教育に対する公財政支出の割合が少ないことを踏まえて、公的支出を先進国並みに近づけていくよう最大限の努力が払われる必要がある。私は、この答申に基づいて、高等教育に対する公的支出の割合を高めるのは政府の責務である、しかも、大学関係者はそのことを強く希望し、また願っているというふうに思うわけですね。この分野こそ文部科学省がきちっと主張しなきゃいけないことだ。これは、政府の中でこれを主張するところなんかないわけですから。そういう文部科学省の立場がどうなのかという問題なんですね。
そこで、もう数字を挙げるまでもないのですけれども、GDPに対する高等教育の支出の割合あるいは一般政府総支出に占める高等教育の割合というのは、日本は〇・五%、一・五%。アメリカと比較したら半分でしょう。他の十数カ国と比較してもこれは最下位ですね。こういう危機的な状況で、とにかく高等教育に対しての予算の増額というか、支出をふやすことが喫緊の課題だというふうに思うのですが、それで、今回こういう構造改革の方針の中にはこういう問題は全然触れられていないのですが、構造改革の方針の中で、この答申のこうした内容の部分は放棄をしたというふうにも受け取れるのですけれども、そういうことなんでしょうか。
○遠山国務大臣 大学審議会の答申では、高等教育に対する公財政支出の割合を単純に国際比較することは、制度の違いもあり困難であるとしながらも、我が国のGDP等に占める高等教育に対する公財政支出の割合は、他の先進国に比べて低い状況にある、まさにそうでございます。これでは日本の将来が、知的な、科学技術創造立国として成り立つというわけにまいらないのではないかという危惧については、私も同感でございます。
我が国の高等教育機関が、世界的水準の教育研究を行って、期待される役割を十分に果たすことができるよう、私どもとしても、今後とも、厳しい財政状況のもとであっても、高等教育予算の充実に努めてまいりたいと思うわけでございますが、ちょうど昨日閣議決定されました骨太の方針の中で、二点にわたって人材育成の重要性と教育の重要性が強調されたということについて御報告しておきたいと思います。
その第二章で「新世紀型の社会資本整備―効果と効率の追求」という章がございますが、その四番目に、「重点的に推進すべき分野」として、一つは「科学技術の振興」があり、もう一つは「人材育成、教育」、六つの項目のうちの二つを、我が文部科学省の関連する非常に重要な事項について、そういう分野を重点的に推進すべきとして挙げられたということは、これはこの内閣の姿勢を示すのではないかと思っております。
また、平成十四年度予算について書かれました第六章の中では、七つの項目のうちの二つにわたって、今申し上げました科学技術の振興の話、そして人材育成、教育というものが大事だということを明確に書いているわけでございます。
この内閣の骨太の方針に沿って、私どもとしては、その意に沿うべく、先生方の御助力も得ながら、この重大な問題について取り組んでいきたいと思っております。
○石井(郁)委員 いただいた大学の構造改革の方針なるこのペーパーですけれども、スクラップ・アンド・ビルドで活性化、新しい国立大学法人に早期移行、国公私トップ三十を世界最高水準に育成というのがありまして、本当に、大学の、高等教育への支出をいかにふやすかということは一つもないということは驚きなんですね。
それで、次の問題なんですが、国立大学の一府県一大学の大原則をこの方針では崩すことになりはしないかという問題なんでございます。国立大学の再編統合ということで、国立大学の数の大幅な削減を目指すということにしているわけですよね。これは、先日の国立大学の学長会議で文部科学省からの説明があったようですけれども、質問の中に、一県一国立大学の最低線も崩すんですかということに対して、県に一つしかないからと安心してもらっては困る、おどかしをさせていただくというふうに言われたというんですが、これは事実でしょうか。
○高市委員長 局長でよろしいですか。
○石井(郁)委員 はい。事実かどうかだけで結構です。
○高市委員長 工藤局長。
○工藤政府参考人 一県一大学の原則は、戦後の再編の原則としてあったわけでございますが、これから、いわば、国立大学がより生き生きと活躍していくために、大胆に、これまでの枠にとらわれないで御検討いただきたいという趣旨で申し上げたものでございます。
○石井(郁)委員 これは文部省自身がお決めになったことですが、新制国立大学実施要綱というのがございますよね、一九四八年六月二十二日付ですけれども。それを見ますと、国立大学設置の大原則というのが定められています。イ、ロ、ハとありますが、「新制国立大学は特別の地域(北海道、東京、愛知、大阪、京都、福岡)を除き同一地域にある官立学校はこれを合併して一大学とし一府県一大学の実現を図る。」「新制国立大学における学部又は分校は他の府県に跨らぬものとする。」、ハとして「各都道府県には、必ず教養及び教職に関する学部若しくは部をおく。」としています。
こういう大原則が、もういとも簡単に、ある面では一晩でひっくり返されることになるというのは、私は余りにも異常だというふうに思うんですが、どうですか、文部大臣。これは、副大臣、ではお答えください。
○岸田副大臣 済みません。先ほどの発言、私の方から御発言しなきゃいけないところ、私の方からもおわびを申し上げます。
御指摘の国立大学の再編統合ですが、国立大学を活力あるものにし、国際競争力あるものとするために、運営基盤の強化を意図しているものであります。
そして、御指摘の一県一大学の原則、各県における戦前の各種の学校を統合する際の原則でありまして、新制大学発足時の整備方針の一つとしてその発展に大きく貢献したという評価、我々も大きく評価しているわけであります。
しかし、その後今日に至るまで、我々、国、社会も大きく変化をいたしました。人口移動や、交通、通信手段が飛躍的に拡大している今日において、地域の枠組みを超えた連携協力、新しい枠組み、こういったものもどんどんとできているわけであります。ですから、半世紀前とは、さまざまな枠組み、地域のあり方も大きく変わっているわけであります。
こうした中にあって、先ほど言いました大学の再生を目指すわけでありますから、この一県一大学の原則を含めて既存の枠組みにとらわれず検討していくこと、これは必要なことだと思っております。
○石井(郁)委員 確かに、状況がいろいろ変わる、それは日本国内外いろいろ変わっている、だから、そういう状況に合わせていろいろなことを考えていかなきゃいけないのはそうなんですが、問題は、それはきちんとしかるべき審議機関やいろいろなところで、審議会等々で議論をした上で、あるいは大学関係者の間の議論をした上での話でありまして、私は、唐突にこういう形で出されてくるということは、これは今まで文部省になかったことじゃないですか。
そこで、伺いますけれども、もう時間がありませんが、二十一世紀の大学像と今後の改革方向ということを大学審議会が平成十年にお決めになりました。答申が出されました。今日の大学改革は、この答申に基づいて進められているわけでしょう。大学も随分いろいろな努力をされているし、文部科学省としていろいろなことをやはり押しつけてもきましたよ。私は本当にもう時間がありませんけれども。
そういう中でいいますと、今回出されてきた再編統合、あるいは単科大学など他大学との統合、あるいは県域を越えた大学間の再編統合、そして、このトップ三十、世界最高水準に育成、これは国立大学だけじゃないですよね、国公私ですから、私立も含んでトップ三十。こういうことは大学審で話がありましたか。大学審議会の答申のどこに出てきますか。どこにもないじゃないですか。大学審の改革との関係でいうと、こんな異常なことってないと思うんですが、これは大臣、いかがでございますか。
○岸田副大臣 例えば、トップ三十の話でいきますと、平成十二年の答申の中で、国公私を通じた競争的経費の拡充による競争的環境の整備、こういった必要性も指摘されているわけであります。それ以外にも、平成十年の答申、平成十二年の答申、さまざま指摘がされております。こうしたさまざまな答申の中の提言を踏まえた上で、今回の方針、つくられていると考えております。
○石井(郁)委員 私は、そういう答弁を全国の大学関係者に知らせてほしい。驚くんじゃないですか。これはもうだまし討ちですよ、だまされたとしか言いようがない。大学審議会の中では、競争的環境の中でいろいろ研究教育もしていこうという話はあるかもしれませんが、トップ三十を世界最高水準に育成するなんということは、本当に唐突以外の何物でもないですよ。そして、トップ三十と言いますが、ではトップ三十以外は、これはスクラップするということですか、そうするとは言えないかもしれないんだけれども。
私は、一つ一つ、もう時間の関係で伺いますが、ちょうどきょう、一番最初のきょうの質問者の田野瀬議員から、日本の大学教育の評価で日本が四十九位というのが出ましたよね。しかし、一方では、大学教育は、もっと研究者、大学関係者、力を入れなければいけないと言いながら、今度は研究成果を上げるものトップ三十でしょう。一体これで、トップ三十をつくって、じゃ大学教育のこのランキングは上がるんですか。世界から見て今四十九位ですよ、きょうのデータで。私は、これはもう本当に驚きですけれども。
こういう問題はどうなのですか。どういう整合性がありますか。トップ三十をつくって大学教育のランキングが上がりますか。ちょっと答えてください。
○遠山国務大臣 まず、そのIMDでございますか、それの調査というのは、それぞれの国の企業の人たちに、その人たちにとって大学というのはどれぐらい寄与しているかということについてのアンケート調査なのですね。客観的なデータに基づくデータではないのです。そのことを申し上げたいと思います。
日本の大学の中でも、国公私を通じてすぐれた研究をしているところがあり、すぐれた教育をしているところがございます。しかし、これからの日本が国際競争力を持つためには、私は、やはり知の殿堂である大学がしっかりしてもらわなくてはいけない。そういうふうなことを背景にして、これからは大学の中ですぐれたものは本当にすぐれたものとして発展してもらいたい、そういう民意を反映してトップ三十ということを方針の中に盛り込んでいるわけでございますけれども、これは、その具体的な評価の方法でありますとか仕組みなどのあり方については、評価の客観性あるいは公正さに留意しながら、今後いろいろな関係者の御意見も伺いながら検討していくことになると思っておりまして、我が省の一方的な判断で、三十大学だけはあらかじめ選定して、これに重点投資という趣旨ではございませんし、また、分野ごとによって違うものでございますし、また、努力によってどんな大学もそのトップ三十の中に入れるということもございます。
そのようなことから、そういう日本の大学を真にすぐれたものとしていくということのために考えたものでありまして、それ以外のものを切り捨てるとか、それ以外のものについてどうとかということではないわけでございます。そのことを申し添えたいと思います。
○石井(郁)委員 時間が参りましたけれども、一言だけ。
私学は定員割れを起こして大変な状況ですよね。今回、私学も含めてトップ三十という話になっているわけですけれども、私は、この状況では余りにも不見識だというふうに思います。私学を含めたということは、私学助成のあり方も見直すということなのでしょうか。私学も、トップ三十以外は私学助成を打ち切るというようなことにつながるのでしょうか。このことだけ一言御答弁いただいて終わります。
○岸田副大臣 トップ三十の育成をするための支援措置の内容、方法、今後、概算要求等の過程を通じてどういうあり方がいいのか検討していくこととなると考えておりますが、その場合、私学助成との関係もその検討の課題であります。
いずれにしましても、単一の予算事項で措置するということも考えられるのでしょうが、いろいろな助成措置を組み合わせて総合的に重点的育成を図る方法、こうしたさまざまな仕組みを通じて私学に対しても支援していく、こういったことが現実的だと考えております。
○石井(郁)委員 終わります。
――――◇―――――
○高市委員長 この際、大阪教育大学教育学部附属池田小学校における児童等殺傷事件に関する件について決議をいたしたいと存じます。
本件につきましては、当委員会の審議を踏まえ、理事会等におきまして、各党間において御協議いただいたところ、お手元に配付いたしておりますとおりの案文がまとまりました。
便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえさせていただきます。
大阪教育大学教育学部附属池田小学校における児童等殺傷事件に関する件(案)
去る六月八日、大阪教育大学教育学部附属池田小学校において発生した殺傷事件は、教育の現場で起きた前例のない誠に痛ましい事件であり、社会全体に強い衝撃を与えた。
よって、政府は、このような事件が二度と起こらないよう責任をもって、大阪府及び池田市と協力して池田小学校の早期の授業再開に向けて最善を尽すとともに、全国の学校の安全確保のため、財政措置を含め、左記事項について対策が講じられるよう努めるべきである。
記
一 今回の事件の影響で心に傷を負った児童一人一人に対し、十分な心のケアを長期にわたり行うこと。
一 児童の授業に支障のないよう仮設校舎を早急に整備するとともに、新しい校舎の建設を早急に行うこと。
一 児童一人一人に行き届いた指導及び教育を行うため、スクールカウンセラー、養護教員、非常勤講師等の人的措置を早急に行うこと。
一 大学内に長期的ケアの実践と研究のための場の整備を検討すること。
一 児童・生徒の生命・身体の安全を確保するため、全国の学校の安全管理体制の総点検を行うとともに、学校内外の通報体制、防犯設備の設置、敷地境界部の整備及び教室・職員室の再配置など、広範な防犯対策を強化するための財政措置を講ずること。
一 学校の安全管理の確保にあたっては、学校長をはじめ学校管理者は、地域やPTAなどと協力して、十分な体制を確立すること。
右決議する。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
お諮りいたします。
ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○高市委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。
この際、本決議につきまして文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。遠山文部科学大臣。
○遠山国務大臣 ただいまの決議につきましては、教育行政の責任者として大変重く受けとめております。
今後とも、今回の事件によって心に傷を負った児童等の心のケアの充実に努めるとともに、大阪教育大学教育学部附属池田小学校の早期の授業再開に向けて万全を期してまいります。
また、全国の学校の安全管理を徹底し、子供たちが安心して充実した学校生活を送ることができるよう全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○高市委員長 お諮りいたします。
本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高市委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。


機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。

Copyright(C)石井郁子事務所 2001
本サイト内のテキスト・写真等全ての掲載物の著作権は石井郁子事務所に属します。
リンク希望の方は、お手数ですがメールにてお知らせください。
石井郁子トップページはこちらから