6月22日 文部科学委員会で
大教大付属池田小事件についての集中審議で質問


151-衆-文部科学委員会-21号 2001年06月22日

平成十三年六月二十二日(金曜日)
    午前九時十分開議
 出席委員
   委員長 高市 早苗君
   理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 田野瀬良太郎君 理事 高橋 一郎君
   理事 平野 博文君 理事 藤村  修君
   理事 西  博義君 理事 都築  譲君
      岩崎 忠夫君    小渕 優子君
      岡下 信子君    河村 建夫君
      杉山 憲夫君    砂田 圭佑君
      谷垣 禎一君    谷本 龍哉君
      馳   浩君    林 省之介君
      増田 敏男君    松野 博一君
      水野 賢一君    森岡 正宏君
      大石 尚子君    大谷 信盛君
      鎌田さゆり君    葉山  峻君
      肥田美代子君    牧  義夫君
      松沢 成文君    山口  壯君
      山谷えり子君    山元  勉君
      池坊 保子君    斉藤 鉄夫君
      武山百合子君    石井 郁子君
      児玉 健次君    北川れん子君
      中西 績介君    山内 惠子君
      松浪健四郎君
    …………………………………
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   法務副大臣        横内 正明君
   文部科学副大臣      岸田 文雄君
   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   政府参考人(警察庁刑事局長)    五十嵐忠行君
   政府参考人(文部科学省大臣官房長) 結城 章夫君
   政府参考人(文部科学省生涯学習政策局長)  近藤 信司君
   政府参考人(文部科学省初等中等教育局長)  矢野 重典君
   政府参考人(文部科学省高等教育局長)    工藤 智規君
   政府参考人(文部科学省スポーツ・青少年局長)遠藤純一郎君
   参考人(大阪教育大学長)    中谷  彪君
   文部科学委員会専門員   高橋 徳光君
    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件(大阪教育大学教育学部附属池田小学校事件について)

     ――――◇―――――
○高市委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件、特に大阪教育大学教育学部附属池田小学校事件について調査を進めます。
 本日は、参考人として大阪教育大学長中谷彪君に御出席いただいております。
 中谷参考人におかれましては、大変お忙しいお体でいらっしゃいますのに、本日は国会までお出かけいただき、本当にありがとうございます。
 特に、幼い、大切な八名の命を奪います残忍な事件の後、学校といたしましても今一番お忙しい時期でいらっしゃると思います。
 このような悲しい、残酷な事件、二度と繰り返されてはならないと思います。
 私たち衆議院文部科学委員会委員一同、精いっぱい、今後、学校の安全管理、また児童生徒の安全確保、再発防止策、議論をしながら、対策を立てていきたいと思いますので、本日は、何とぞよろしくお願いをいたします。
 ありがとうございます。
    ―――――――――――――

○高市委員長 石井郁子君。

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 中谷参考人には、大変な状況の中で当委員会においでいただきまして、本当にありがとうございます。また、御苦労さまでございます。
 突然の惨劇とはいえ、教室の中で子供たちの命、八人もの命が奪われました。また、周りの子供たち、傷を負った子供たち、本当に深い傷を与えたわけでございます。私は、こういう事件に、悲しみとともに、心からの憤りを抑えることができません。御冥福を祈りながら、関係者の方々、御遺族の方々へのお見舞いをまず申し上げたいと思います。
 私自身、もう十数年前にもなりますけれども、教育大に籍を置いた者といたしまして、同僚の皆さん方の御心痛、本当にお察しをしているところでございます。事件の夜、私も小学校を訪ねたところでございまして、その教室、そこに足を踏み込むことはできませんでしたけれども、本当に生々しさに胸が震えました。
 私は、まず最初に、何の罪もない子供たち、未来ある子供たちの命が失われた、犠牲になったわけですから、しかも、これは教育大学の附属で起こったという事件として、やはり国として関係者のあらゆる御要望にこたえるということは、第一にやらなきゃいけない当然のことだと思うのです。この基本姿勢について、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。

○遠山国務大臣 今回の事件に対する思いにつきましては、あの事件を聞きまして後の私の対応、それから、あの日の午後二時に開会されましたこの委員会で談話を発表いたしましたけれども、そのときに述べました気持ち、変わらないものでございます。
 文部科学大臣といたしましては、今回の事件については三つの立場があろうかと思います。一つは、設置者として、国立の大阪教育大学の附属学校で起きた問題についてどう対応するか、これについては、全力を挙げて十分に取り組む。そして同時に、全国における小中学校、高等学校も含めまして、学校の安全管理の問題についてもどうやるかということでございます。そしてまた、閣僚の一員として、日本の社会を安全にどう保っていくべきかというようなこと。
 第三につきましては、ただ要望するしかないわけでございますが、今お話しの、第一の点につきましては、これまでも十分できる範囲でやろうという姿勢でやってまいっておりますが、今後とも、学校からの要望あるいは大学からの要望も十分に踏まえて、保護者の方々のお気持ちも十分踏まえて、この問題について十全に対応してまいりたいと思っております。

○石井(郁)委員 中谷参考人に伺いたいと思います。
 先ほどのお話の中でも、事件後さまざまな対応をしていらっしゃるということがよくわかりました。
 しかし、やはり現場はいろいろなことがあると思うのですね。教職員の皆さん、そして保護者の方々からいろいろな御要望もあるかというふうに思うのです。
 そういう御要望の中で、やはり国としてこういう点はもっと目配りしてほしい、あるいはこういう点を改善してほしいというようなことがあるかと思うのです。そういう点がございましたら、この席でお聞かせいただければと思います。

○中谷参考人 こういう、あってはならない事件が起こったわけでございますから、学校も、それから保護者の方々も、非常に戸惑っているわけでございます。戸惑うというよりも、むしろ驚きが大きいわけでございます。それにつきまして、文部科学省は迅速な対応をしていただいたと私は判断いたしておりますし、感謝申し上げたいというふうに思っているわけでございます。
 事件の起こりました当日、池坊政務官が駆けつけてくださいまして、夕方から深夜までにわたりましてすべての病院を回っていただきましたし、それから、家族とともども涙を流していただきました。
 岸田副大臣には保護者説明会に来ていただきまして、文部省の御意向を伝えていただくとともに、御質問を受けていただきました。これは非常に好評でございました。
 遠山文部科学大臣には、即座に談話を発表していただきまして、文部省の姿勢を示していただきました。
 こういう迅速な対応のもとで、私たちも全力を尽くしたつもりでございます。しかしながら、保護者の方々はいろいろな要望を持っておりますけれども、私は、この二週間余りの動きを見ておりまして、学校の方針に対してほぼ納得というか、同意をしていただいているように思います。
 大学といたしましては、文部科学省が非常に心温まる措置をとっていただいたことについて感謝いたすわけでございますけれども、学校の再開とか安全な学校づくりのためには、幾つかのことをやはり要望しなければならないというふうに思っております。
 それは四つぐらいにまとめることができます。
 一つは、とりあえず学校の授業再開に当たりまして、仮校舎の建設が急務でございます。これにつきましては御努力を願っているところでございます。
 二つ目は、授業再開をするわけでございますけれども、心の傷を持っておりますし、先生方も傷ついております。その中で、一人一人の子供たちの心の動きを読み取りながらきめ細かな指導を行うためには、現在の教員の数では足りないということで、非常勤講師を複数配置していただかないといけないだろう、こういうふうな御要望がございますし、さらに、心のケアを必要とする子供たち、また保護者のためには、いわゆるカウンセラーを常設していただかないといけないだろうと。それから、心の傷を持ったり、いわゆる負傷している子供たち、それから恐らく健康上、体の不調を訴える子供たちがたくさん出るのではないかと思われます。したがいまして、養護教諭の増員配置をお願いしたい、こういう人的な御要望を二つ目にさせていただきたいなと思っております。
 それから三つ目は、何と申しましても現校舎等の施設を全面的に改築していただきたいということでございます。これにつきましてはいろいろと御努力願っていることでございますので、今後とも協議をさせていただきたいと思いますけれども、風紀を一新して、学校安全のモデル校にいたしまして世界に発信したい、これが本校の教訓でございますし、願いでございます。
 最後、四つ目は、これは世界で初めての事件、それから前例のない、いわゆるケアを長期的に必要とするケースでございます。したがいまして、本学にメディカルケアセンターなるものを設置して、このような不幸な事態は二度と起こってはならないのですけれども、しかし、不安な社会の中でまた起こり得るかもしれない、そういう事態にも対応できるような研究と、それから実践を兼ね備えたそういうセンターの設置、本学に設置して、本学が中心となって社会に貢献できる、そういう大学にしたいなというふうにも思っております。
 以上でございます。

○石井(郁)委員 いろいろ具体的な御要望もいただきまして、ありがとうございます。そういう実現に向けて、私もぜひ努力をしたいという思いをいたしております。
 具体的にちょっと伺いたいのですが、今既に始まっているメンタルサポートチーム、五十五人で立ち上げていらっしゃるということですけれども、これについても、これはもう全面的に国の財政的な支援もあってされているというふうに理解していいかと思うのですが、そのことと関連して、やはり先ほど来出ておりますように、心のケアの問題というのは、今すぐというよりも、むしろ時間がたってからの問題もあるのだということですよね。だから、長期的にわたるというふうに思うのです。そういう点で、本当に国としてメンタルケアということをしていかなければいけないということ、そういう立場でしていらっしゃると思いますけれども、それを伺いたいことが一点。
 そういうことで言いますと、やはり今国が何をしているのかというのが必ずしも見えない状況も実はあるのですね、皆さん努力をされているのですが。例えば、池田市民の皆さんが、市民で基金を立ち上げて、そしてできるだけのことをしようという話が出ているのではありませんか。それから、教育大の学生がボランティアで何かしてあげたいというようなことで、これはきのうの新聞報道でしたか、あると思います。
 だから、そういう市民の、学生の熱意、また大学挙げてのいろいろな取り組みということからしますと、本当に国がもっともっと支援というものを、見える形で今しなければいけないのだと思うのですが、それがどうなっているのかということですね。特に、メンタルサポートチームということをずっと継続されていかれるのかどうかという問題で、いかがでございましょうか。今のは、参考人と両方出てお答えいただければと思います。参考人からもぜひお伺いしたい。

○中谷参考人 今回の事件で本当に感動いたしましたのは、メディカルサポートチームの立ち上げの早さでございました。大阪府とか、それから池田市を中心としたグループが集まってくださいまして、そして五十五名という体制になりました。これは公的に派遣された方々もおられますし、それからボランティアの方々もおられます。それから本学の教員もございます。大きく三つに分かれておりました。
 当面はそういう形で立ち上げたわけでございますけれども、一期が終わった形で、今度は、中期ということ、または長期ということでございますので、本学の教官が中心となって計画を立てております。
 どのような形でボランティアとか、それからそういうメンタルケアに携わっている人々に対してお返しをするか、お手当てをするか、つまり交通費も含めて何か考えることができるかということでは、いろいろと向後考えていきたいと思うのですけれども、その意味では、基金とか、それからいろいろなそういう行動も出てきておりますので、それはそういう形で対応いたしたいというふうに思っております。
 数字的に申しますと、六百三十七件のうちの四分の一くらいに症状が出ているということでございますので、かなり後で出る、一年後にも出るというふうなこともございますので、このあたりは、今後長期的な形で見ていかなければならないということでございます。その意味で、本学の教官たちが中心となって今後計画を立ててまいりたいというふうに思います。
 場合によっては、文部科学省に対しても御要望をしなければならないのではないかというふうに思っております。
    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○岸田副大臣 長期的に対応していかなければいけないという御指摘、そのとおりだと思います。被害に遭った当事者が一年生、二年生、幼い児童生徒であるということを考えましても、そういった児童の年齢的なもの、表現能力の関係で、後からさまざまな現象、兆候があらわれてくる、こういったことは予想されるそうであります。こういった認識のもとに、長期的に対応したいと思っております。
 そしてその中で、先ほど中谷学長の方からの要望の中で、カウンセラーとか人的な常設支援の要望がありました。こうした人的な支援につきましても検討をしていかなければいけないと思っております。

○石井(郁)委員 世界に例のないというか初めて起こった事件だということでございますし、それが我が国の国立学校で起こったという点でも、文部科学省としては、やはり関係者の御要望はすべてくみ上げて万全の体制をとるということで取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 さてそこで、少し具体でございますけれども、やはり今、学校の安全をどう確保していくのかということに緊急に体制をとらなければいけないというふうに思うのですね。先ほど来の御質問の中でも出ていましたけれども、昨年一年間に、幼稚園から大学まで、学校内で起きた凶悪事件が七十五件、そのうち九件が殺人事件だということでございます。また、侵入事件等々も相当あるという話でございました。だから、今日本の社会がやはりこういうところに来ているという、これはもう現実ですから、ここに立って考えなければいけないわけで、やはり、学校に安全点検を呼びかけるだけでは済まない、国としての抜本的な対策が求められているというふうに私は思うわけでございます。
 今回の事件に対しまして、大臣は緊急アピールを出されました。保護者や地域の人たちに学校巡回などを呼びかけたわけでございます。私たちも、開かれた学校づくりはもう前提だというふうに思います。その上で、学校の安全確保をどうしていかなければいけないのかと。いろいろ知恵も要るところだし、やはり信頼のできる大人を子供たちの周りにつくっていかなければいけない、保護者と地域の人たちの協力が必要なことはもう当然だと思うのです。学校の教職員も、そういう立場でいろいろな取り組みをされるというふうに思うのです。
 しかし、今やはり問題は、学校の職員が本当に子供たちに向き合えるのか、安全のための体制をとれているのかということなんです。学校の職員はずっとこの間、いわば行革以来、人が減らされてきたでしょう。公立小学校の警備員、校務員は一九八〇年当時、だから二十年前、それと比べますと、激減と言っていいぐらい少なくなっているんです。半減していると見ていいと思います。だから、いわば不審者に対してどう防ぐのかというのに人的な配置が非常にないという状況があるんじゃないでしょうか。
 私は、警備員だとか校務員は国庫負担の対象として考えるときにもう来ている、配置するようにすべきだというふうに考えますが、文部科学省、いかがでございましょう。

○池坊大臣政務官 今石井委員がおっしゃいましたように、行政改革の一環として、国家公務員のうち技能労務職員などについては、昭和五十年以降、原則採用を行わないという政府全体の方針に伴い、国立の附属学校においても、用務員や警備員等の数は減少しているのが実情でございます。
 参考に申し上げますと、用務員は、昭和五十九年、二百八十二人だったのが、平成十二年、百三人になっております。警備員は、昭和五十九年、百三十二人だったのが、平成十二年、四十五人になっております。
 なお、参考までに申し上げますと、教員については、教員一人当たりの児童生徒数は、昭和五十九年の十八・六人に対して、平成十二年度では十七・三人と、逆に改善されているところでございます。
 ただ、これは安全管理から問題があるのではないかという御指摘でございますけれども、民間への委託によって警備員を派遣したり、あるいは防犯カメラを配置したり、あるいは地域社会との連携によって、PTAの協力を得て、警備や、子供たちを守るいろいろな、それぞれの事情に応じて小学校で対策を練っていただいております。私たち文部科学省といたしましても、これから、安全管理の徹底のために必要な支援はしてまいりたいと思っております。
 用務員は確かに減少されましたが、それが即安全管理の問題になるかと言われましたら、むしろいろいろな方法もあろうかと思っております。

○石井(郁)委員 報道によりますと、防犯カメラの設置を地方交付税に盛り込むことも検討されているというふうに伺いました。しかし、防犯カメラがあっても、それを見る人がいなきゃ困るんです。そうでしょう。そういう人が果たして学校にいるのかどうかなんです。
 昨年一月に、これは旧文部省が、幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目を出されました。ちょうど京都の日野小事件の直後でございますね。来校者の確認ということを挙げられているんですよ。でも、学校の方に聞きますと、今、教員、職員は本当に余裕がない。例えば、教員の皆さんというのは休み時間だって子供との対応をしているでしょう。次の授業時間の準備をしているじゃないですか。では、だれが来校者に応対するかというと、管理職の方になる。その管理職の方は、校長も教頭の方も出張が非常に多い。そうなんですよ、学校の現場は。だれが確認するんですか。確認する人がいない。だから、こういう点検項目を挙げられても実現が不可能だという声があるんですよ。
 私もその点検項目を見せていただきましたけれども、本当にこれは文部科学省らしいなと。先ごろ、教員のチェックリストのことが問題になりましたけれども、たくさん、細かく項目がございます。でも、本当にこれはできるんだろうか。できていない状況がいっぱいあるんじゃないですか。ですから、やはりちゃんとそういう具体的な体制、保障を伴わないと、こんなチェックリストを幾らつくったって対応できませんよ。
 それで、私は、警備員はぜひ置く、あるいは校務員などが必要ならば置くということを考えるべきだということが第一点であります。
 それから、具体的にですけれども、今回の事件からさまざまな教訓があるかと思いますけれども、やはり、今、学校がもう安全ではなくなったという状況があるんですから、非常ベル、回線電話、こういうものがぜひ欲しい、警報装置が欲しいという点では、これは直ちにつけるべきだ。教室と職員室とを結ぶ装置、あるいは教室から非常ベルでそこの危険を発信するというようなことで、最低限必要だと思うのです。
 この人的な面とそういう条件整備の面で取り組むお考えがあるかないか、これを文部科学省に伺っておきたいというふうに思います。

○岸田副大臣 まず、人的な面について御質問がありました。
 昨年一月に文部科学省として、安全管理の点検項目を全国の学校に通知をいたしました。その三十九の項目につきまして今御指摘をいただいたわけでありますが、まずもって、今回の事件後、この安全項目の再点検を全国に指示したわけであります。
 この安全項目につきましては、最大限その確認をして実施をしていただくよう努力していただく、これは重要なことだと思っております。そういった努力によって、例えばこの間の杉並区の幼稚園におきましても、児童に危害が加わることを防げたというような評価もあるわけですから、まずもってこの項目の実施は努力をしていただかなければいけないとは思っております。
 しかし、そういった中にあって、今、現実、世の中も大きく動いている、この項目が果たして現実に適応しているのかどうか、こういった御指摘があるのも当然だと思っております。そういったことから、六月いっぱいでこうした点検項目を確認していただくと同時に、この安全点検につきまして全国の学校から意見をいただくよう、今努力をしております。その中で、この点検項目がなかなかできないとしたならば、どうしてできないのかという理由、さらには、この点検項目自体が本当に時代に合っているのかどうかというような意見、こういったものをしっかりと吸収していきたいと思っております。その上で点検をするわけですが、その中で、今御指摘がありました人的な面においても改善する必要があるかどうかの判断をしていかなければいけないとまず思っております。
 それから、物的な面につきましては、さまざまな設備につきまして補助制度や地方財政措置の検討を進めております。これにつきましては、こうした個別の対応における支援につきまして、総務省と財政支援を行える方向で今協議を進めているところでございます。

○石井(郁)委員 もう時間もなくなりました。ぜひ、全国からのそういう御要望、実態を踏まえて、そして必要な手を打っていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 国立大学の附属の実態も同時に今考えなきゃいけないんですね。今私が質問しましたのは、公立学校、一般校の話であります。国立大学の附属小学校がどういう実態になっているかというと、これまたひどく状況が悪いということがあるんですね。
 何よりも、クラスの人数が四十人学級で置かれている。これは私も驚きましたけれども、三十八人、三十七人。四十人のクラスもある。三十九人のクラスもある。池田の小学校、一学年三クラスですけれども。だから、四十人目いっぱいとらなきゃいけないというふうに国立はなっているんですよ。しかし、クラスの担任は、副担任は置いていない、一人です。それから、養護教諭がありません。先ほど参考人から、ぜひ養護教諭を置いてほしいという話がありました。教員の配置は国立なのに非常に手薄だ、これではやはり困るでしょうという問題があります。この点でも本当に、今定数削減などが行われていますけれども、そういう職員の削減、校務員の削減などはやるべきではないということをちょっと強く申し上げておきます。
 私は、本当に時間がなくて、きょうはこの話だけで終わりたくなかったのです。というのは、今回の事件を通して、今社会的に大変な不安が引き起こされています。子供たちの安全が守れない社会というのは一体どうなっているのかという問題があると思うのです。この事件についての真相解明はこれからですけれども、被疑者について言えば、やはり池田に進学したかった、それから、自分は常々エリートを自称して、いろいろな会社の社長とか病院の医師とかの名刺もつくっていたという、ゆがんだエリート意識がこの中にかいま見られるんですね。私は、この一連の問題で、なぜ子供がねらわれるのか、なぜ学校がねらわれるのか、これはやはり考えなきゃいけないことがある。つまり、今の教育の仕組み、そこにやはり一つの要因も見ておかなきゃいけないのじゃないかというふうに思うのですね。
 そういうことで、ぜひこれは最後に大臣に伺っておきたいのですけれども、大臣談話の中の最後に、これは大臣自身が手を加えられたというお話でございますけれども、「最近大人社会において、残虐な事件が頻発している風潮がみられ、学校だけでは対応できない事態に鑑み、社会全体でこうした卑劣な行為を断じて許さないとの思いを共有していただきたい」というふうなことでございます。まさに社会全体が取り組まなきゃいけないことはあるのですが、やはり教育の問題として見直すべきこともあるのではないか。子供たちが、青年が本当に十全に育っているのかどうかという問題、そして自立した大人として育っているのかどうかという問題があると思うのです。
 昨年は、十七歳の犯罪ということが相次いだわけでしょう。いずれも共通しているのは、自分には未来がないとか挫折感に打ちひしがれているだとか、そういう子供の姿があるわけでしょう。私はここに、やはり日本の教育がこのままでいいとは思わないわけです。これは、もうずっとこの委員会でも審議をしたとおりでございまして、そういう問題としても大臣にぜひ、文部科学大臣だからこそそういう問題にやはり向かっていただきたいというふうに思うわけでございますが、時間が参りましたので、御答弁をいただいて終わりにします。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○遠山国務大臣 そこに書きましたような問題意識、そして最終的にはやはり教育のあり方というものが見直されなくてはならないと思っております。
 この委員会は、いかに学校を、豊かな心、豊かな人間性を持ちながら本当の力を持っていく子供たちをどう育てていくかというようなことについて御審議いただいておりまして、私どももそのような気持ちを持ち続けながら、日本の教育のさらなる進展のために皆様と一緒に力を尽くしていきたいと思っております。

○石井(郁)委員 終わります。

 
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