5月29日 本会議
教育改悪3法案審議入り趣旨説明・児玉質問


平成十三年五月二十九日(火曜日)

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 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び社会教育法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、学校教育法の一部を改正する法律案及び社会教育法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。文部科学大臣遠山敦子君。

    〔国務大臣遠山敦子君登壇〕

○国務大臣(遠山敦子君) ただいま議題となりました三法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 今日の教育改革を進めていくためには、学校教育、社会教育及び地方教育行政の各般にわたる改革を進めていくことが必要であります。このような観点から、今回、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、学校教育法及び社会教育法の三法について改正法案を提出することとした次第であります。

 まず、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 地方分権の時代にふさわしい地方教育行政制度を実現するためには、教育委員会が、地域住民や保護者の意向をより一層的確に把握し、その信頼にこたえて責任を果たすよう改善を図ることが必要であります。

 この法律案は、このような観点から、第一に、教育委員会の活性化を図るため、教育委員会の委員の構成に配慮すべきことや、教育委員会の会議を原則公開とすること、また、教育行政に関する相談体制の整備を図ることとするとともに、教職員の人事に関する校長の意見をより一層反映させることについて、所要の措置を講ずることとしております。

 第二に、都道府県教育委員会は、児童生徒に対する指導が不適切であり、研修等必要な措置が講じられたとしても指導を適切に行うことのできない市町村の県費負担教職員を免職し、引き続いて都道府県の教員以外の職に採用することができるようにしております。

 第三に、教育委員会が、地域住民や保護者の意向、生徒の進路希望等を踏まえながら、公立高等学校の通学区域をより弾力的に設定できるようにするため、これに係る規定を削除し、通学区域の設定を教育委員会の主体的判断にゆだねることとしております。

 次に、学校教育法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 学校教育については、児童生徒の社会性や豊かな人間性をはぐくむ観点から、また、一人一人の能力、適性に応じた教育を進め、その能力の伸長を図る観点から、さらには、児童生徒の問題行動への適切な対応を図るなどの観点から、その改善及び充実を図ることが必要であります。

 このため、この法律案は、第一に、小学校、中学校、高等学校等において、社会奉仕体験活動、自然体験活動等の体験活動の充実に努めるとともに、その実施に当たり、関係団体及び関係機関との連携に配慮することとしております。

 第二に、小学校及び中学校における出席停止制度について要件を明確化し、手続に関する規定を整備するとともに、出席停止期間中の学習の支援等の措置を講ずることとしております。

 第三に、大学が特にすぐれた資質を有すると認める者は、高等学校を卒業した者等でなくても、対象分野を問わず、当該大学に入学させることができることとするとともに、大学院へも優秀な成績をおさめた者が飛び入学できることとするほか、大学には夜間において授業を行う研究科及び通信による教育を行う研究科を置くことができることを明確化し、あわせて、名誉教授について所要の改正を行うこととしております。

 第四に、盲学校、聾学校及び養護学校の寄宿舎に置かれる寮母の名称を寄宿舎指導員に改めるものであります。

 次に、社会教育法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 近年の都市化、核家族化等に伴い、家庭や地域の教育力の低下が懸念されておりますが、二十一世紀を担う心豊かな、たくましい子供たちをはぐくむためには、家庭や地域の教育機能を高めることが不可欠となっております。

 この法律案は、このような観点から、第一に、教育委員会の事務として、家庭教育に関する学習の機会を提供するための講座の開設等の事務を規定するとともに、社会教育委員等に家庭教育の向上に資する活動を行う者を委嘱することができるようにしております。

 第二に、教育委員会の事務として、青少年に対し社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の機会を提供する事業の実施等の事務を規定することといたしております。

 第三に、社会教育主事となるための実務経験の要件を緩和し、社会教育に関係のある事業における業務であって文部科学大臣が指定するものに従事した期間を評価できるようにすることといたしております。

 第四に、国及び地方公共団体が、社会教育に関する任務を行うに当たって、学校教育との連携の確保に努めるとともに、家庭教育の向上に資することとなるよう必要な配慮をするものとする旨を規定することといたしております。

 以上が、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案、学校教育法の一部を改正する法律案及び社会教育法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

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    〔議長退席、副議長着席〕

○副議長(渡部恒三君) 児玉健次君。

    〔児玉健次君登壇〕

○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、学校教育法の一部を改正する法律案、社会教育法の一部を改正する法律案及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、小泉総理と遠山文部科学大臣に質問します。(拍手)

 不登校、いじめ、学級崩壊など、子供と教育をめぐる状況は深刻さを加えています。とりわけ、学力の危機というべき実態が、子供たちのさまざまな発達のゆがみや社会的な逸脱をもたらす根源となっています。これらは、自民党政府、文部省が長年続けてきた、競争主義、管理主義の強化という教育政策によってつくり出されたものであります。

 すべての子供に基礎的な学力を保障することは、国民の最も切実な教育への願いであり、憲法、教育基本法が学校教育に要請しているものです。現在、国民的な課題となっている教育の民主的な改革は、この願い、要請にこたえることを基本にして進められるべきです。まず、このことについて、総理の見解を伺います。

 議題となっている教育三法案は、昨年十二月、首相の私的諮問機関にすぎない教育改革国民会議の報告を受け、森前首相がその席上で、文部省に対して関係法の早急な取りまとめを指示したことによって国会に提出されました。

 学校教育法、社会教育法、地方教育委員会に関する法律、この三法は、教育基本法に基づく教育法体系の中心をなすものです。これらの重要な教育法の改変を、前首相の私的諮問機関の意向を受けて性急に、一挙に図ろうとする態度は、二十一世紀の日本を方向づけるというべき学校教育の改革の進め方として最もふさわしくありません。このような性急、拙速な態度は、直ちに改めるべきです。総理の答弁を求めます。

 法案に即して質問します。

 高校の通学区域の指定に関する規定の削除と、大学、大学院への飛び入学拡大の問題です。

 高校学区制の廃止は、全県一学区に道を開き、高校を全県的な規模で序列化し、大学、大学院への飛び入学の拡大と相まって、競争教育、ふるい分け教育を激化させます。生徒の集まりにくい高校は統廃合の対象とされるでしょう。

 高校の学区制は、高校の格差是正と地域に根差した高校を育てる上で制度の根幹をなすものです。これまで文部省は、通学区域の設定に際し、全県一区に定めることは許されないと解すべきであるとしてきました。今なぜ、これを放棄するのか。文部科学大臣、答えてください。

 一九九七年、飛び入学の一部導入の際、日本数学会、日本物理教育学会は、高校二年で才能を判定することは不可能であり、偏差値による序列化が一層進むことを懸念し、早期の大学入学よりも大切なことは、知識、教養のバランスのとれた成長であるとする声明、要望書を提出しました。

 一九九八年六月、国連子どもの権利委員会は、日本では、極度に競争的な教育制度によるストレスのため、子供が発達のゆがみにさらされていると懸念を表明し、過度なストレス及び不登校を防止し、かつ、それと闘うための適切な措置をとることを日本政府に勧告しました。

 小泉総理、主要国政府への勧告の中で、教育制度の根本に触れて、その不適格性がこのように厳しく批判されたのは日本のみです。高校学区制の廃止、飛び入学拡大は、この勧告に反し、日本の教育制度をさらに競争的なものにするのではありませんか。総理の答弁を求めます。

 学校教育法、社会教育法の二法案に盛り込まれた社会奉仕活動の強制が子供たちをどこに導こうとしているか、この問題です。

 学校教育において適切に体験活動を実施することは、子供の人格形成にとって有意義であり、現に、多くの学校でさまざまな創意的な努力が進められています。

 ところが、今回、学校教育法に第十八条の二を新たに設け、教育の目標の達成に資するためとして社会奉仕体験活動を特記したのは、教育改革国民会議の意向を学校教育に直接持ち込むことをねらったものです。その根底には、子供を飼いならし、訓練し、たたき直す、強制することが学校教育の基本的機能だとする教育改革国民会議の場における主張があります。時代錯誤も甚だしいと言わなければなりません。

 もとより、子供は強制の対象ではありません。子どもの権利条約は、子供が年齢及び成熟に従い権利を行使することを保障しています。子供を権利の主体として尊重してこそ、子供の成長発達を中心に据えた学校教育の豊かな発展が望めます。

 本来、奉仕活動は、子供の自発的意思に基づいて行われるべきです。強制による奉仕体験活動は苦役となり、人間形成にとって有意義な体験活動から子供たちを引き離す結果につながるのではありませんか。文部科学大臣、答えてください。

 政府、文部省は、問題を起こす子供への出席停止措置の要件を法定化するために、学校教育法を改めようとしています。

 現在でも、他の児童の教育に妨げがあると認める場合、出席停止は可能です。それは、あくまでも教育的観点から、緊急避難的措置として行われるべきです。

 今、緊急に必要なことは、三十人以下学級を速やかに実現し、大規模校を解消して、子供、父母と教師、学校のつながりを深め、子供同士の連帯感を温かく育てることです。教育改革国民会議が、問題を起こす子供への教育をあいまいにしない、このことを強調した、それをそのまま受けて法律を改めようとしているのではありませんか。

 出席停止命令の要件を新たに法定化しました。そこには、出席停止の期間に関する定め、子供、父母の異議提出に関する手続が示されておりません。これでは、その発動を行政的、機械的に学校に促すことになり、子供が義務教育を受ける権利を制限することにつながる危険があります。これは教育の基本問題です。総理の見解を問います。(拍手)

 教育委員会が、子供に対する指導が不適切であると判断した教師を、本人の同意なしに免職、配置転換することを可能とする今回の法律の改定は、教職員に対する管理主義を一層強化する意図を露骨に示すものです。

 「まず排除ありきでなく」、これは、この問題に触れたある全国紙社説の表題です。子供への対応で弱さを抱える教師は存在します。ここではっきりさせなければならないのは、教師の反社会的行為、体罰等は現行法で対処すべき問題であるということです。教師の間に近年急増している精神疾患等は、早期の適切な医療によって回復を図ることができます。この問題と指導力云々の問題を混同させてはなりません。

 現在、多くの父母、国民が望んでいるのは、人間味にあふれ、教師や父母とともに真剣に切磋琢磨する、子供の教育に情熱を傾ける、そのような教師です。

 教師が自主的に研修を進める機会、条件を豊かにし、学校において教師が同僚とともに授業その他の教育活動を互いに批評し、支援し合う取り組みが進んでいます。教師と父母との共同による学校づくりの努力が、各地で注目されています。これらの取り組みを通じて、教師の教育の専門家としての力量が生き生きと発揮されることが実証されているではありませんか。教育行政がこれを支えるか否か、これが問われています。文部科学大臣の答弁を求めます。

 教師の仕事は、子供の人格の完成を目指して行われる、極めて高度で、多面的な内容を持つものです。学校の教育はすぐれて集団的な営みであり、年月を経てその真の効果が示されます。一人一人の教師を切り離し、短い期間を単位にして、指導が不適切であること、研修等の必要な措置が講じられたとしてもなお指導を適切に行うことができないと、だれが、どのようにして判断できるのですか。

 まず排除ありき、この強圧的な態度が、熱意に燃える教師を萎縮させ、伸び伸びとした教育力の発揮を阻害するのではないかとの危惧が広がっています。文部科学大臣の答弁を求めます。

 教師を経験した石川啄木は、その作品「足跡」の中で、教育者には、教育の精神をもって教える人と教育の形式で教える人と二種類あると問いかけました。小泉総理、あなたの学校時代を振り返って、あの先生に接してよかったと感じる先生は、前者のタイプですか、それとも後者ですか。どちらを伸ばすことが子供の幸せにつながるか、そこに問題の本質があります。総理の所感をお聞きします。

 文部科学大臣に聞きます。

 教育基本法第六条には、全体の奉仕者である「教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。」と明記されています。これにこたえて教育行政がなすべきことは何か、教育の条理に沿って答弁してください。

 教育三法案の内容は、全体として、これまで自民党政府、文部省が続けてきた競争と管理の教育政策を一段と強化するものです。父母、教職員、広範な国民が抱く学校教育の民主的改革への切実な願いに逆行し、子供と教育をめぐる深刻な状況をさらに困難なものにするものであることは明白です。私は、これらの法案の撤回を厳しく要求するものです。

 日本共産党は、すべての子供に基礎的な学力を保障することを中心とした学校教育の民主的改革を国民的な規模で前進させるためにあらゆる努力を尽くすことを表明して、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 児玉議員にお答えいたします。

 基礎的な学力を保障するための教育改革についてのお尋ねであります。

 国民の学校教育への信頼を取り戻すためには、何よりも、一人一人の子供たちに基礎、基本を確実に身につけさせ、みずから学び、みずから考え、よりよく問題を解決する力を育成していくことが極めて重要であります。

 このため、少人数指導や習熟度別指導の推進により、わかる授業で基礎学力の向上を図るなど、国民の待望する教育改革の実現に取り組んでまいります。

 教育三法と教育改革国民会議との関係についてです。

 教育改革国民会議は、内閣総理大臣のもとに設けられた懇談会であり、教育の根本にさかのぼって幅広く議論が行われ、昨年十二月、報告が提出されました。この報告を踏まえ、特に緊急に対応すべき事項について、教育改革関連法案として今国会に提出したところであります。

 私としては、教育に対する国民の皆様の信頼にこたえるため、本法案の今国会における成立を初め、教育改革の果断な実行に全力を尽くしてまいります。

 高校の学区制及び大学の飛び入学に関するお尋ねです。

 高校の学区制は、今後、その設定について、地域の実情等を踏まえた各教育委員会の判断にゆだねることとしたものであり、受験競争が激化せぬよう、面接や推薦入試の実施など、入学者選抜の多様化等を促してまいります。

 また、大学への飛び入学制度は、特定の分野で特にすぐれた資質を有する者について、その資質を伸ばす道を開くためのものであり、教育の場における競争を激化させるものではないと考えます。

 出席停止制度に関する御質問であります。

 深刻な問題行動を起こす児童生徒については、日ごろの生徒指導の充実のためのさまざまな努力にもかかわらず、他の児童生徒の教育が妨げられている場合には、その教育を受ける権利を保障するため、出席停止を講ずることも必要ではないかと考えます。

 問題行動を起こす児童生徒に対しては、早期からの指導を一層充実するとともに、今回の法改正により、出席停止の要件及び手続の明確化、学習支援の充実を図ることを通じ、その一層適切な運用を期してまいります。

 教師像についてのお尋ねです。

 学校教育の本質は、教員と児童生徒との人格的触れ合いにあり、学校教育の成否は、教員の資質、能力に負うところが極めて大きいと考えております。求められる教員とは、教育者としての使命感にあふれ、現場の課題に適切に対応し、子供の悩みを受けとめ、適切な指導ができる、力量ある教員だと思います。政府としては、このような教員の育成に今後も努力していかなければならないと考えます。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣遠山敦子君登壇〕

○国務大臣(遠山敦子君) 児玉議員の御質問にお答えする前に、先ほど樋高議員の、教員の身分保障及び教育オンブズマン制度についての御質問に対する答弁が漏れておりましたので、まず、これに対しお答え申し上げます。

 教員の身分を保障し、職務に専念できるようにすることは重要でありまして、公立学校の教員につきましては、地方公務員法により一定の身分保障がなされております。

 また、教育オンブズマン制度の御提言がありましたが、住民の意向を的確に反映し、地域の特色を生かした教育行政を展開する上で、住民の中から任命された教育委員の合議により基本方針等を決定する教育委員会制度が果たす役割は、ますます重要になると考えます。

 こうした教育委員会の活性化を図るために、今回の法案では、三つの点を規定しようとしております。第一に、教育委員の構成を多様にするための配慮義務、第二に、教育委員会の会議の原則公開、第三点は、教育行政に関する相談窓口の明確化などであります。

 今後とも、教育委員会が地域に根差した、特色ある教育行政を展開することとなるよう努めてまいります。

 以下、児玉健次議員の御質問に対し、順次お答え申し上げます。

 まず、高校の学区制についてのお尋ねであります。

 公立高等学校の通学区域につきましては、政府の規制改革委員会におきまして、その設定等を都道府県等の自主的な判断にゆだねるべきである旨の指摘がなされますとともに、各都道府県において、特色ある学校等の設置が進み、多様な通学区域が設定されるようになってきております。これらを踏まえて、今後は、通学区域の設定については、地域の実情等を踏まえた各教育委員会の判断にゆだねることとしたものであります。

 次に、奉仕体験活動についてのお尋ねでございます。

 今回の学校教育法の改正は、児童生徒の社会性や豊かな人間性をはぐくむ観点から、小中高等学校等において、社会奉仕体験活動、自然体験活動等の体験活動の充実に努め、それらの活動の促進を図ることを目的としております。

 社会奉仕体験活動については、他の体験活動と同様、教師の適切な指導のもと、各学校の教育活動として体験させるものであります。これらの指導は、教育指導上の課題として進めるものであって、教え導くという指導の姿勢で臨むことが必要であると考えます。

 第三に、教師が教育の専門家としての力量を発揮することに対する支援についての御質問であります。

 教員については、その職務の特殊性にかんがみ、教育公務員特例法において、「その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」とされておりまして、教員が自主的に研修に取り組むことは、極めて重要であります。一方、国や教育委員会等におきましては、初任者研修を初め、教職経験に応じた研修や長期社会体験研修等の職務研修を実施し、効果を上げてきております。

 教員の資質向上につきましては、このように、教員の自主的な研修と職務研修の両者が相まって実施されることが必要でありまして、今後ともその充実に努めてまいります。

 次に、指導が不適切である等の判断についてのお尋ねであります。

 本法律案が定める要件に該当するかどうかの判断は、任命権者である各都道府県教育委員会が行うものであります。また、その判断が適正かつ公平に行われるように、これらの要件に該当するかどうかを判断するための手続については、都道府県の教育委員会がそれぞれ教育委員会規則で定めることとしておりまして、その規則にのっとり判断されることとなります。

 今回の措置がもたらす教員への影響についてのお尋ねであります。

 教員の職務は児童生徒の人格形成に重大な影響を与え得るものであることから、指導が不適切な教員への対応は、適切な教育を確保する上で重要な課題であります。

 このような観点から、本法律案におきましては、対象となる教員を、まず、児童または生徒に対する指導が不適切であること、次に、研修等の措置が講じられてもなお適切に指導を行うことができないこと、このいずれの要件にも該当する者に限定をいたしております。また、この措置が適正かつ公平に行使されるように、要件に該当するかどうかを判断するための手続については、教育委員会規則で定めることにいたしております。

 本法律案は、このような内容を盛り込んだものでありまして、いたずらに教員を萎縮させたり、伸び伸びとした教育力の発揮を阻害するようなことはないものと考えております。

 最後に、教員の身分や待遇について教育行政がなすべきことについての御質問であります。

 教育基本法第六条で規定されておりますように、学校教育の直接の担い手であります教員は、自己の使命を自覚し、職務の遂行に努めなければならないこととされておりまして、そのためには、教員の身分と待遇の適正を図ることが重要であります。

 このような観点から、教育公務員特例法等によりまして、教員の任免等の身分取り扱いをその職務の特殊性に即したものとするとともに、いわゆる人材確保法等により待遇の改善を図ってきているところであり、今後とも、その改善、充実に努めてまいります。(拍手)

 
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